視床下部は脳の中で非常に重要な役割を果たす小さな領域です。
ここでは、視床下部の様々な機能について、説明します。
摂食中枢
摂食中枢: 食欲をコントロールする
視床下部には食欲を調整する摂食中枢があります。
空腹を感じると、中枢が活性化され、食べるように体に信号を送ります。血糖値の低下やホルモンの変化が摂食中枢を刺激し、食欲を引き起こします。これにより、必要なエネルギーを確保できます。
体温調節中枢
体温調節中枢: 体温を一定に保つ
視床下部は体温調節の中心的な役割を果たします。体が暑くなったり寒くなったりすると、視床下部がその情報を受け取り、発汗や震えを引き起こして体温を調整します。これにより、体温が一定に保たれます。体温調節は健康維持に欠かせません。
飲水中枢
飲水中枢: 体の水分バランスを管理
視床下部には飲水中枢もあり、体の水分バランスを管理しています。体が脱水状態になると、この中枢が喉の渇きを引き起こし、水を飲むように促します。逆に、水分が十分にあるときには飲水中枢が抑制され、過剰な水分摂取を防ぎます。
自律神経の中枢
自律神経の中枢: 無意識の体の機能を制御
自律神経系は交感神経系と副交感神経系から構成されており、無意識のうちに体の様々な機能を調節しています。視床下部は自律神経系の中枢として機能し、心拍数、血圧、消化、発汗など、無意識に行われる体の機能を制御します。
交感神経と副交感神経のバランスを取ることで、体がストレスに適応したりリラックスしたりするのを助けます。
満腹中枢
食事により血糖値が上昇したり、胃が拡張すると刺激されて活性化します。
中枢が活性化すると「満腹感」を引き起こし、食欲を抑制します。
レプチンというホルモンも満腹中枢を刺激し、過剰な食事を抑制します。
内分泌機能の調節
内分泌機能の調節: ホルモンバランスを保つ
視床下部は下垂体との連携を通じて、ホルモンの分泌を調節します。これにより、成長、代謝、ストレス応答、性機能など、多くの体のプロセスが管理されます。視床下部がホルモンの分泌を指示することで、体内のホルモンバランスが維持されます。
睡眠と覚醒の調節
視床下部には視交叉上核(SCN)があり、これが概日リズム(サーカディアンリズム)を制御します。光の情報を受け取ってメラトニンの分泌を調整し、睡眠と覚醒の周期を管理します。SCNが正常に機能することで、規則正しい睡眠リズムを保つことができます。
情動行動
情動行動: 感情をコントロール
視床下部は情動行動にも深く関わっています。恐怖、怒り、喜びなどの感情を引き起こす脳の領域と連携し、情動反応を調整します。例えば、扁桃体と連携して恐怖反応を引き起こしたり、快感を感じる際の反応を調節したりします。
看護師国家試験にチャレンジ
視床下部の機能で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1. 感覚系上行路の中継核
- 2. 長期記憶の形成
- 3. 摂食行動の調節
- 4. 飲水行動の調節
- 5. 姿勢の調節
答え 3,4
視床下部の機能の語呂合わせ
師匠:視床下部
接:摂食中枢
待:体温調節中枢
で
インスタ:飲水中枢
自:自律神経の中枢
慢:満腹中枢