看護実習の行動計画の立て方
この記事では看護実習記録の行動計画の書き方について解説していきます。
行動計画とは↓こんな感じのやつです。
行動計画とは
看護実習中、1日のスケジュールとやることを書いたものを行動計画といいます。
毎日この行動計画を指導者ナースと教員の前で発表させる病棟が多いです。
最初はとても緊張しますが、ここで指導者と教員からの的確な助言を受けることが、安全かつ有意義な看護実習を行うためには大事。
この記事を読んで、要点をつかんだ行動計画を立てられるようにしましょう!
行動計画を書く目的
看護過程の実習記録一式に加えて、毎日の行動計画を書くのはとても大変です。
看護実習の記録量の多さの原因の1つが行動計画かもしれません。
そんな辛い行動計画を書くのには、もちろん目的があります。
- 看護学生がその日の目標を立てることで、目的意識を持って実習に取り組む。
(立てた目標は指導者だけでなく、受け持ち看護師からも聞かれます。実習中は「今日の目標は?」という質問がいつきてもいいように暗記しておく。) - その日実施する予定を明確化して、指導者から適切なアドバイスと援助を受ける。
(行動計画を書くのは大変だし面倒だけど、書くことで、その日何時に、何のために何をすればいいかがわかる!) - 1日の実習を振り返って目標の達成度合を評価し、翌日の実習へと生かす。
看護学生が行動計画を書く時のコツ
このような行動計画を書くと、看護師から「個別性がない」と注意されます。
患者の今の状態を踏まえた上で、何を観察するのかを書く
コツ1つ目は、患者が今どんな状態なのか、そして、何に気を付けて何を観察するのかを書きます。
NG見本と比較して、どのくらい具体的に書けばいいのか注意して見てみましょう。
観察項目はざっくり→具体的に書く
呼吸状態と自覚症状を観察する
だけ書く看護学生も多いですが、そうすると大抵
呼吸状態って何を観察するの?具体的には?
とつっこまれます。
そんなときにすんなりと答えられるために、ざっくり→具体的に観察項目を書いておくのがコツです。(もちろん自分が理解しなきゃいけないからという理由は大前提で)
その日特に注意したいケアがあれば詳しく記述する
バイタルサインの測定手順や観察項目を全てここで書く必要はありません。個々の看護計画にてすでに詳しく書いてあるはずだからです。
その日特に注意したいケアの内容や項目、見たいポイントがあれば記述しましょう。
看護実習の行動計画を書く手順
それでは早速行動計画の書き方について説明していきます。
実習目標(行動目標)を決める
まず毎日の行動目標を立てる必要があります。0から考える必要はありません。
実習目標には、すでに看護過程で立案した”看護計画の看護目標”を達成するために今日は何をすればいいのかを書きます。
よく、行動目標書いたら「ずれてる」って言われるんですけど…
看護学生が立案した看護目標と全く別の行動目標を立てた場合、「ずれているよ」と指摘することがあります!
行動目標・行動計画と看護計画には絶対に関連がみられるように書きましょう。
手順としては(1)看護過程を展開して看護目標を決める(2)看護目標を達成するために今日できることは何か?を考えて行動目標を決めるという感じです。
↓看護目標って何だったっけ…という方
初日は、まだ看護過程を展開していないと思いますので、看護学校から配布される実習要項を基に決めましょう。
実習要綱を読まない看護学生さんが結構いるんだけど、もったいない!
実習要綱をベースに看護目標を立てたり、レポートを書いたりすれば大きく外れることはないので、ぜひぜひ実習要綱は沢山活用してください~!
実習要綱の実習目標には、その実習で看護学生にどんなことを学んでほしいか、どんな行動が求められているのかが書いてあります。
目標の主語は自分にして、実習要項の目標を少しアレンジして書けばOKです!
例文はこんな感じです。
<実習要綱>
看護問題のアセスメントに必要な情報が理解でき収集できる
患者を理解するための基本的なコミュニケーションについて理解できる。
<実習目標>
アセスメントのために、必要な情報をカルテや患者とのコミュニケーションを通して収集する
★看護実習2日目以降は、患者の状態や経過がわかると思いますので、それらを踏まえて目標を立てる事!!
患者の状態を踏まえるってどういう事?
例えば実習初日に患者さんを見ていて、リハビリ後は疲れているから休みたい様子だな、という事がわかれば、
×「 アセスメントのために、必要な情報をカルテや患者とのコミュニケーションを通して収集する 」
ではなく、
○「リハビリ直後は休息時間とし、空いた時間に患者の疲労状況を見ながらコミュニケーションをはかり、情報収集をする。」
という目標を書くこと。これが患者の状態をふまえて目標を書くという事です。
実習領域別の目標の例文や、もっと詳しい書き方は↓を参考にしてくださいね。
患者のスケジュールを書きこむ
実習目標を立てたら、いよいよ行動計画にスケジュールを書いていきます。その日にやる事を時系列に記載していくため、まずは予め決まっている予定を先に記入すると書きやすいです。
<患者のスケジュールで行動計画に書くべき項目の例>
- 診察
- 処置
- 検査
- 保清
- 体重測定
- 経管栄養
- リハビリ
- 面会
<看護学生のスケジュールで行動計画に書くべき項目の例>
- オリエンテーション
- カンファレンス
- 決まっている1日見学実習 (手術室見学、等)
行動計画の発表時に「それはあなたが実施したいだけでしょ」とつっこまれた事があります…
ここは難しい所なんです。看護学生さんは「このケアやるべきだ」と考えても、
患者の体調や活動パターン、日課を考慮してスケジュールを立てる事が大事。
だからこそ、「なんでそのケアやるの?」と聞かれてしっかり根拠をこたえられるようにしておくこと。
自分が実施する項目と内容、裏付けを書く
患者のスケジュールを書き込んだら、行動予定を記入していきます。
行動予定の書き方簡単ステップ
- いつ行うのか
- 何のために行うのか
- どの程度介助するのか
- 何に気を付けてどんな看護ケアを行うのか(患者の状況を考慮しているか?)
上記の手順で書くとすっきり書くことが出来ますので参考にしてみて下さいね。
個別性の出し方
個別性のある行動計画を作成するためには、
患者さんの身体的特徴や心理的特徴、患者さん特有のスケジュールなどを踏まえて、 援助の方法や留意点を具体的かつ明確に記す必要があります。
個別性って行動計画でいつもつっこまれます…。
”個別性”というとなんだか難しく聞こえるかもしれませんが、
その患者さんならではの安全安楽を考えた方法になっているか?を確認しながら書くのがポイントです。
【見本】看護における行動計画の具体例文
具体例が見たいです!
上記の4ステップで書いた行動計画の見本はこちらです。
行動計画の発表の仕方
実習中は、指導者との「行動調整」が毎朝行われますね。
朝の行動調整が1番嫌いです…。
行動目標や行動計画の発表は、看護実習中毎日あるので、学生にとっては1つの大きな壁です。
発表の方法をマスターすることで、自信を持って実習に臨むことができます。まずは、以下に発表のコツをまとめてみます。
明確な目標を設定する
具体的で達成可能な目標を立てましょう。
例えば、
「患者の〇〇を軽減するために、〇〇というケアをする」
など、具体的な目標に落とし込みます。
根拠を示したうえで、具体的な行動を話す
行動目標や行動計画を設定した理由や根拠を明確に説明しましょう。そのうえで、目標達成に向けてどのようなアクションを取るのか具体的に説明しましょう。時間はもちろん、場所や方法などくわしく計画を話します。
朝の行動調整は実習メンバー全員行うのでそんなに時間はかけられません。
すべて細かく話すのではなく、聞かれたら答えられる状態にしておくこと。
「〇日の実習経験において、患者さんから〇〇という発言がきかれ、〇〇が考えられたため、〇〇の向上を目標としました。この目標を達成するために、〇〇に注意し、〇〇を実践します。」
【テンプレ】行動計画の発表のコツ
看護実習中は朝、必ず看護師に1日の行動計画を発表します。
ほかに、行動計画発表時のコツは、
カルテをしっかり見て、自分がいない間の出来事についての情報をしっかり取ることです!
- 夜間~今朝までの情報を盛り込んだ計画を立てているか?
(夜間に何か変わったことはなかった?看護記録読んだ?
入眠状況は?夜ご飯、朝ごはんの摂取状況は?排便状況は?頓用薬の使用は?) - 今日の検査や処置、保清は予定通りか?
(カルテ上変更になっている場合、その理由は何か確認すること) - 面会やICの記録が追加されていないか?
(実習後の時間に行われることが多いため、しっかり確認する)
ここで書いた記録の見本の全体や、さらに詳しい書き方はPDFにまとめています