看護過程ドットコムによるアンケート調査の結果、実習中に食欲の増減という形でストレスを抱えている生徒がいることがわかりました。
実習は看護の学習としては重要な経験であり、その中でストレスを最小限に抑えながら取り組むことが求められます。
そこで、本記事では実習時にストレスを軽減するための効果的な方法やコツをまとめてご紹介いたします。これらのアドバイスを活用して、ストレスを抑えながら、実習を充実させましょう。
怒られた態度こそ見られている!
コツの1つめは「怒られた後の態度」についてです。
看護師から怒られた後は、恥ずかしい気持ちや情けない気持ちでいっぱいになりますよね。
しかし、怒られた時の態度こそ、見られています。
そのため、怒られた事をネガティブに受け取っているだけでは、社会人として・将来看護師として成長するチャンスを失ってしまう可能性も。
態度を変えるだけで、怒られることは成長に繋がります。
注意されたり、怒られたりした時は
①事実を認めて
②1秒でも早く謝る
この原則を守ると良いです。
もちろん、失敗しないように、怒られないように気を付けることは大切ですが、それ以上に失敗ししたあとに、どう対応するかが重要。
謝罪の仕方にも、コツがあります。
私は~したのですが~だったので、~してしまいました。すみません。
この例のように経緯→謝罪の順番ではなく、
~してしまいすみません!
ご指導ありがとうございました。勉強になりました!
という言葉を使ってみましょう。
まず最初にお詫びの言葉を発することで誠意を伝えることが大事です。
「どうしてそうなったか」という経緯についてはその後。
つい説明を先にしたくなりますが、あまり早いと言い訳に聞こえるので注意しましょう。
挨拶は元気に目をみて!!
コツの2つめは「看護実習でのあいさつ」についてです。
実習は何度言っても緊張しますし、
病院にいる看護師はなぜかみんな怖く見えるので、自然と萎縮してしまい、
小さな声で「おはようございます」とつぶやく看護学生も多いのではないでしょうか。
でも、ちょっとだけ勇気を出して
必ず相手の目を見て、明るく元気よく挨拶してみてください。
自分の方から、元気よく声をかけることで、相手も、自分から心を開いてあいさつをしてくる人には良い印象をもちます。そのため、常に自分から先に挨拶することを心がけましょう。
「語先後礼」という言葉がある通り、あいさつは言葉とお辞儀がセットです。順番としては言葉を言ってから、お辞儀をする「語先後礼」が正しいマナーです。相手の目をみて「おはようございます。」少し遅れて、お辞儀をしてみましょう。
ナースに挨拶するときは、 ①相手の名前を呼ぶこと
ただ「おはようございます!」と言われるのと、「○○さん、おはようございます!」と言われるのと、挨拶される側としたら、どちらが気分がよいでしょう?
○○さんと名前まで呼ばれて、気分の悪い人はいません。
名前を加えて挨拶をすることで、丁寧で好意的な印象を与えるでしょう。
挨拶する看護師の、名前を呼びかける、そんな挨拶を心がけてみましょう。
そのためには、朝ナースステーションについたら、自分の受け持ち患者の担当ナースの名前をしっかり把握しておくことが重要です!!
自分から率先して気持ちよくあいさつすることで、相手の心を開き、よい関係構築にもつながります。
実践してみてね。
アドバイスは即実践する!!
コツの3つめは「看護師からアドバイスをもらった後のアクション」です。
看護実習中は、自分がついたナースをシャドーイングして見て学ぶだけではなく、アドバイスをもらうことも多いです。
自分からアドバイスを求めた場合でも、ナースの親切心でアドバイスを受けた場合でも、すぐ、丁寧に「ありがとうございます」とお礼を言いましょう。
また、アドバイスをもらった看護学生側として、その後の進捗や結果を報告するのがマナーです。
感謝の言葉と併せて、アドバイスを実践した結果、看護学生さん自身の看護や考え方、成果や、受け持ち患者さんがどう変わったのかを伝えましょう。
また、今後の看護実習や勉強に邁進する様子や抱負を言い添えるのもいいです。
実習中、同じ担当ナースにつくことは少なかったので、その日にお礼を言わないと会えなくなる可能性もある。(夜勤に入ったり、休暇にはいったりする場合もある。)
そのため①アドバイスをもらった時、②実習終わりの時間の2回、きちんと感謝を伝えるようにしていました。
ということで…
アドバイスをもらった、お世話になった看護師の厚情に対して、素直に感謝する気持ちを自分の言葉で伝えるようにしましょう。
当日遅くとも翌日中には、お礼&その後の結果を伝えるようにしましょう。
_さん、今日は〇〇についてご指導いただきありがとうございます。
おかげさまで、これまで_だった_が_できるようになりました。
今後ともどうぞよろしくお願いしたします。
こんな感じで、実習から帰る前に少し声をかけるようにしてみてください。
報告は聞かれる前にする!
コツ4つめは、「報告のタイミング」です。
看護師への報告のタイミングは、実習の流れを円滑にして、患者に影響を出さないためにも重要です。
ただ、看護学生にとってはこれがなかなか難しい。
まず看護師にいつ声をかければいいか。忙しそうなとき、電子カルテに向かっているときなどに声をかけたら怖そう…
報告したいのに看護師が見つからないことも多いんですよね…
(看護実習あるある)
しかし、恐れや、看護師が見つからないからと、報告を怠るのはよくないです。
看護師側から声をかけられる前に、看護師を見つけ出し、『今、お時間よろしいでしょうか?』と話しかけるようにしましょう。
速足で移動し、電子カルテをカタカタ言わせている看護師はみんな忙しそうにみえるかもしれません。
しかし、看護師が本当に忙しくて看護学生の話を聞く時間がなければ『5分待って』などといった反応があるはず。それに従えばいいのです。
今ケア入るから、報告はあとにしてね
はい!それでは30分後に声かけます!
看護実習で報告をするタイミングとは、具体的にどのような場面があげられるのでしょうか。
報告が必要なタイミングについて見ていきましょう。
看護師に報告すべきタイミングは?
基本的に朝、行動調整をしたらお昼の報告、などと報告のタイミングは決まっていますが、
それ以外にも報告すべきタイミングがあります。
トラブルが起きたとき・患者に異変があるとき
看護実習で何かしらの問題が発生したときは、すぐに看護師へ報告する必要があります。
場合によりますが、異変・トラブルは早く報告するほど問題が大きくならずに済むことが多いです。
患者の予定が変更になったとき
患者のスケジュールが変更になったときは、今後の行動計画の進め方について担当看護師と指導者に報告して相談しましょう。
「予定が変更になりそう」という早い段階で情報共有しておくのがおすすめです。
行動調整で決めたケアがスムーズに進まなそうな時
朝の行動調整で「_時にベッドバスをする」と決めたとします。しかし、なんらかの原因でそれが時間通り実践できないと予想される事があります。
どうしよう、間に合わないな。
とりあえずギリギリまでやってみて、
もしできなければ事後報告にしようかな…。
と考えるのではなく、予定通りにはできないと悟った瞬間に報告しましょう。
一番危ないのはギリギリまで隠しておくことです。場合によっては注意は受けるかもしれませんが、指導者と相談して再びスケジュールを練り、それが実践できればOKです。
報告しようか迷ったら
小さなこともこまめに を心掛けましょう。
緊急性や、優先順位がわからない看護学生のうちは些細なことも含め、すべて連絡したほうが指導者としては安心します。
報告しすぎて怒られることはほとんどありません。
「そこまで報告しなくていい」と任されるようになったら初めて報告せずに行えばいいのです。
看護師に話しかけるタイミング
看護師は常に忙しそうに見えて、看護学生が話しかけるタイミングも難しいですが、以下のタイミングを参考にしてください。
看護実習中に質問する時のコツ
実習時に質問する際は、ただ単に疑問をそのままぶつけるのではなく、自分が実際に体験した場面や気になった事象について、その背後にある理由や自分の考えを併せて質問することで、より充実した学びを得ることができます。
例えば、実習で目撃した看護師の特定の行動や判断に疑問を感じた場合、それがなぜ選択されたのか、どのような効果が期待されるかを考えて質問してみましょう。
さらに、質問の前に自分なりに学習や情報収集を行い、より具体的な質問を用意しておくと効果的です!
また、自分が患者さんと関わる中で生じた問題や困難についても、どのように対処するべきかを自分なりに考え、それに関連する質問をすることで、より実践的な知識やスキルを身につけることができます。
ストレスなく、充実した実習とするためには、ただ受け身となるだけでなく、積極的に実習に参加し、観察し、疑問を抱き、自分の学びや考えを深めることが重要です。
質問を通じて学びを広げ、自己成長を促すために、常に探求心を持ち続けましょう。
看護実習中、ナースに質問するときに
〇〇ってなんですか?
とまるごと聞くのではなく、
看護師の行動や言動をよく観察しておいて、気になる事をしっかり覚えておき、
あそこで〇〇をしていたのは△△だからでしょうか?
ケアの時に〇〇されていたのは△△だからだと考えたのですが、この理解で正しいでしょうか?
このように、気になった具体的な行動と自分の考えを併せて質問するのがコツです。