テンプレートで看護実習記録を効率よく書く
「看護実習記録をうまく書けない」「折角時間をかけて書いた看護過程の記録がやり直しになった」
そんな悩みを持つ看護学生も多いです。筆者自身も看護学生だった時、はじめて看護過程の授業が開始した時には実習記録に悩まされました。
そこで、看護実習記録を効率的に書くために、自分の中で文章をテンプレート化してみました。このようなテンプレートに沿って記録を書くことで、基本的な型を保ちながらも、必要な部分がアレンジされた個別性のある記録ができます。
そこで今回、筆者が実際に作った看護実習記録のテンプレートをご紹介します。それぞれにおいて例文を合わせてお伝えします。
アセスメントを書く時のテンプレート
「情報の解釈・分析」における分析の書き方のテンプレートをご紹介します。
「情報の解釈、分析ってなんだっけ?」となった方、以下の図での①、②の部分です。
ではこれを踏まえて、テンプレートを書いていきます。
<アセスメントのテンプレート>
①【S情報・O情報】により
②_が(できた・できない)ため
③【アセスメント項目】は(充足・未充足)と考えられる。
この情報の解釈テンプレートを用いた例文をご紹介します。
【正常な呼吸】
<S情報>
苦しさとかはないかな
<O情報>
呼吸数17回/分、リズム不整なし。
<情報の分析・解釈>
①S発言あり、O情報より、呼吸機能は正常範囲内であることから、
②適切にガス交換を行うことができているため、
③呼吸についてはニード充足と考えられる
と、このような感じで書くことが出来ます。
なんとなく書いてたけど、
このテンプレート3ステップで書くと書きやすいです!
情報の分析と解釈部分の書き方を簡単に画像でおさらいしましょう。
看護目標を書く時のテンプレート
看護計画を書く時に、関連因子・看護問題が、看護介入によって維持または改善した時に期待される結果を設定します。
期待される結果・看護目標は評価できる具体的な状態で示すことが重要です。
<看護目標のテンプレート>
①_月_日までに ②__程度 ③_をすることができる。 3点セット
看護目標を立てる時のポイントはありますか?
①患者目標は患者さん・家族が主語になるように書くこと。
②患者と家族の希望を踏まえつつ、実現可能な目標を立てる事。
③長期目標と短期目標を立てる場合もあります。
行動計画を立てる時のテンプレート
行動計画では、その日看護学生さん自身が何を学習するのかを明確にします。
【看護実習の行動計画に書く内容】
① 何時に
② どんな場面で
③ どんな根拠に基づき
④ 何をどのように実施するのか
を明確にしていきます。
また、1日の実習を終えて、目標の達成と課題を明確にします。
【看護実習】行動計画テンプレート
①患者は現在_という状態だから
②(どの程度)介助を行う。
③_という理由から_に注意して実施する。
行動計画を書くことで、その日の実習スケジュールが明確になります。
1日の終わりに行動計画を振り返ることで、翌日の実習へとつなげるのが大事なんです~
看護問題を書く時のテンプレート
看護問題とは、アセスメントの結果として明らかになった問題に名前をつけることです。
患者・家族が解決すべき健康上の課題を明らかにします。
複数の問題について、マズローのニードの階層等を用いて優先順位をつけていきます。
看護問題を書く時のテンプレート
①_による②_により③_になるリスク
①疾患名 ②今患者に起きている現状 ③これから起こりうる危険
医師が患者に診断名をつけるように、看護師も患者の状態をみて、看護上の問題を抽出するというわけです。
看護問題を書く時のコツって何ですか?
看護問題って一般的には
「_による✖✖」とか、「_に関連した✖✖」みたいに、
問題だけじゃなくて【原因】を一緒に記載するのね。
書きなれていない看護学生さんはこの【原因】を書かずに問題だけを書きがちなので、しっかりこのポイントをおさえながら書くのがコツかな~
テンプレートを使うときの注意点とは
正しい日本語になっているかの確認をすること
テンプレートを活用しながら看護実習記録を書くときの注意点は、文章として違和感がないかチェックするということ。
ななえるは、テンプレートを穴埋め方式で書いている場合が多いですが、必ずしも穴埋めをして自然な日本語になるというわけではありません。もともと考えていた文章をそのままの形でテンプレートに埋めると、表現方法や文章の繋がりがおかしくなる事があります。
書き終えてから、何度か自分で読み直す事をわすれずに!!
テンプレートと見本の文章をそのまま使わない
夜な夜な看護実習記録を書いていると、面倒くさくなってしまい、機械的にテンプレートを利用したり、参考書の例文をそのまま書き写して安心してしまうことがあります。
要領や効率性も大切ですが、1番は患者さんのためになること。
患者を尊重したよりよい看護を行うためには、正しく、適切なアセスメントをすることが大事です。
そのため、テンプレートを上手に活用して、具体例を組み込みながらアレンジして使ってください。
テンプレートや例文を参考に、具体的に書けば書くほど個別性が出てきます。