本日は、看護実習目標の立て方と具体的な例文について解説します。
結構この実習目標の欄が埋まらずに「うーん」と手が止まってしまったり、
「あれ、これ昨日も書いたな、今日の目標どうしよう…」って
その都度悩んでしまう看護学生さんが多いのです。
ということで、記述例(みほん)と、書き方をなるべく詳しく解説していきます。
実習で必ず使うので、いつも悩んじゃう学生さんは、ブックマークして復習に活用してみて下さい♪
看護実習目標の書き方
①シラバスと実習要綱の実習目標を見る
実は、シラバスや実習要綱の存在を知らず、何も読まないで0から実習目標を自分で書いている看護学生さんが多いんだけど、これは非常にもったいないです。
これ見るだけでかなり書きやすくなるだけでなく、
学校側、病院側の看護実習の意図をくみ取ることができるので
一貫性のある実習を行うことができます。
私は実習前に必ずシラバス・実習要綱を開いて、
蛍光ペンでチェックを引いて、実習目標を立てるようにしていました。
②実習要綱の中で、実習目標に使えそうな部分にマーカーを引く
実習要綱を開いたら、【実習の目的】【学習の方針】【到達目標】【実習目標】などの項目を探し、使えそうな部分にマーカーを引いていきます。ここに記載されている文章に沿って実習目標を書くことが大事。
③実習要綱の文章をもとに、看護実習目標を書く
マーカーを引いた実習要綱の文章を参考にして、実習目標を書いていきます。
例文はこんな感じです。
マーカー部分を比較してみてくださいね。
実習要綱は実習直前にならないと配られないけど、シラバスだったら4月にもらえるから早く準備することもできそう!
もう1つ書き方と例文をご紹介します。
まずは実習要綱を開き、マーカーを引きます。(配られた時点でマーカーだけ引いておいて、付箋を貼っておくと効率がいいです)
実習直前になったら付箋のページを開き、
「あーこんな感じの目的意識をもって、今回の実習に臨めばいいんだな」と思い出しつつ、
さらに具体的にしながら実習目標を書いていく。
どんなことを考えながら書いていくのか思考プロセスを書いてみます。
こんな思考プロセスで、実習目標が完成します。
コツは1つの実習目標を達成するために、知りたいことを細かく分けるようなイメージで考えること。
看護師へ報告することも意識して書く
実習目標は看護師と教員の前で発表します。
それだけでなく、その日ついた看護師からふいに
今日の目標は?
と聞かれることもあります。
ここでもし、
う…受け持ち患者さんについて理解します
のような漠然とした目標を伝えると、
どうやって理解するの?今日1日で何を知りたいの??
シラバスや実習要綱に書かれている実習目標は漠然としているので
実習目標を達成するために、自分がその看護実習で学びたいこと、経験したいことを具体的に書いていきます。
そのため、実習要綱に載っている文章をそのまま写すというよりは、
つまり、シラバスや実習要綱にのっている実習目標をベースにして
自分だけの看護実習の目標をスパイスとして入れていきながら目標を立てるというのが、最もおすすめの方法です。
前回の看護実習目標を取り入れる
前回の実習で立てた実習目標が達成できなかった場合、
それを実習目標に取り入れることも非常に有効な方法です。
もし看護師から目標について突っ込まれた時には、
前回の看護実習では、××で~~を実践するという実習目標が達成できなかったので、今回の実習では~~を実践することを、看護実習目標に設定しました。
こんな風にさらりと設定した根拠について説明できるといいですね。
とにかく、看護実習でのつっこみ対策をしたい場合は、自分が書く内容、発表する内容、すべてなるべく具体的にすること。そして根拠をもっておくこと。
看護実習での看護師への報告の仕方についてはこれも参考にしてみてくださいね。
【すぐに使える】看護実習目標の例文まとめ
これまで、書き方を細かく解説してきました。
それでも、私が看護学生の時は、
「書き方はわかるけどなんか見本がほしい…」
と思っていたものです。
見本を参考にするというのは看護実習記録・看護過程を書く上で非常に大事な学習法なので、
少しでも参考になるように、例文の一覧を書いてみたいと思います。
たとえば、実習1日目。
オリエンテーションや情報収集がメインになりますので、そこを軸に書いていました。
実習1日目の実習目標の例文
実習2日目の実習目標の例文
このように、実習2日目以降は、しっかり前日を踏まえることが大事です。
前日達成できなかったことはないか?
前日学んだ事があればそれを生かして今日はどんな目標が立てられるか?
をしっかり考えながら書いてみて下さい
看護実習別 実習目標の例文総まとめ
急性期実習の実習目標
慢性期看護実習の実習目標
母性看護実習の実習目標の例文
- 妊娠中の女性の健康管理と出産におけるリスクマネジメントについて学ぶ。
- 産科病棟での看護師の役割と産前、産後の母親・新生児のケア方法を実践的に学習する。
- 新生児の健康管理についての知識を深め、NICUでの看護について学ぶ。
- 母乳育児支援について学習し、授乳に関するアドバイスや問題解決の方法を学ぶ。
- 家庭訪問や保健所での母子健康診査に参加し、地域での母子保健について学習する。
小児看護実習の実習目標の例文
- 小児科の看護師の役割や業務内容について学び、小児科病棟での看護の特徴を学ぶ。
- 小児患者の成長・発達に関する知識を深め、その特性に合わせた看護を実践する。
- 入院中の子どもたちが退院後も安心して暮らせるよう、家族支援や在宅ケアについて学ぶ。
- 子どもの心のケアについて学習し、遊びや絵本を使った支援方法を実践する。
高齢者看護実習の実習目標の例文
- 老年期の身体的変化と健康管理について学び、高齢者の生活の質向上につながるケアを実践する。
- 認知症やうつ病など、高齢者特有の疾患の特徴と看護ケアについて学ぶ。
- 高齢者の介護現場でのコミュニケーションや、チーム医療の中での役割分担について学ぶ。
- 高齢者の家族とのコミュニケーションを学び、家族と協力しながら高齢者が住み慣れた場所で生活できるようなケアを学ぶ。
- 高齢者のエンドオブライフケアについて学び、患者や家族の心のケアを含めた看護ケアを実践する。
精神看護実習の実習目標
- 精神疾患における看護ケアについて学び、患者の社会復帰支援に役立つ知識やスキルを身につける。
- 医師や臨床心理士など、多職種による連携を学び、チーム医療における看護師の役割を学ぶ。
- 精神疾患を持つ患者とのコミュニケーションの特徴を知り、必要な技術を身につける。
検査を見学する日の実習目標
- 検査室での看護師の役割を理解し、病棟看護師との違いを学習する。
- 検査の種類や目的について学び、それぞれの検査がどのように患者に貢献するかを理解する。
- 検査室でのコミュニケーションや協力関係の重要性を理解し、他の医療スタッフとの連携を円滑に行う方法を学ぶ。
まとめ
看護実習目標の書き方と例文を沢山まとめました。
実習目標はうまく思い浮かばないかもしれませんが、ぜひ例文を参考にしながら、「そのまま使う」のではなく、実習や自分の学びたい事に合わせて「アレンジ」してご活用ください。
将来、素敵な看護師になるために、自己成長につながる実習目標を意識しながら、一歩ずつ着実に成長していきましょう。