これ、個別性がないからやり直し！
看護学生は一度でも言われたことがあるのではないでしょうか？
看護の現場で求められるのは、患者一人ひとりのニーズに応じた個別化されたケアです。
この記事では、看護学生が学ぶべき個別性を重視した看護計画の作成方法について、詳しく解説します。
なぜ個別性が重要なのか
個別性のある看護計画は、患者さんの快適さ、安全性、そして治療の効果にも影響を与えます。
患者さんの個々の特性、好み、生活背景を理解し、それらに合わせて作成した看護ケアを実施することは、看護師としての専門性を発揮する上で不可欠です。
患者中心のケア
個別性を重視することは、患者に合ったケアの実践を意味します。患者さん一人ひとりの声を聞き、そのニーズに応えることが、質の高い看護を提供する鍵です。
治療効果の向上
個別化された看護計画により、患者さんの治療への積極的な参加を促すことができます。これは、治療成果の向上に直結します。
看護計画における個別性の具体的な例文
個別性を重視した看護計画を作成する際には、以下のような具体的な例を参考にしてください。
環境整備について
- NG例: 環境を整える。
- OK例（個別性のある文章）:リモコンは床頭台の前に置く。シーツ上の毛髪を訪室時に掃除する。ナースコールは右側に置く。
OK例では、その患者に合わせた環境整備の仕方が具体的に書かれていて、個別性の高い文章と言えます。
付き添い歩行について
- NG例: 歩行時の安全に留意する。
- OK例（個別性のある文章）: 靴のかかとを踏んでいないか、靴紐がゆるんでいないかを歩行前に確認する。歩行時は右側に立つ。歩行中は後ろから話しかけない。
前日患者の歩行を観察したときに、靴のかかとを踏んでいて、靴紐もゆるんでいた。それを踏まえてこの計画を立てたということで、患者をしっかり観察できていて、個別性のある文章になっています。
排尿ケアについて
- NG例: 排尿をうながす。
- OK例（個別性のある文章）:朝食前の〇時、〇時、昼食前の〇時に排尿をうながす。他の患者に聞こえないように配慮した声掛けを行う。
患者に合わせた時間を具体的に計画に盛り込んでいて、さらに、多床室なので他の患者にも配慮するという、個別性がある計画になっています。
検査前の準備
- NG例: 検査の説明をする。
- OK例（個別性のある文章）: 検査に行くために病棟を出る時間、注意事項を紙に書いて渡す。
疼痛管理の個別化
- NG例: 疼痛を観察する。
- OK例（個別性のある文章）: ペインスケールを4時間おきに書いてもらうよう説明し、1日3回（８時、1２時、1６時）確認する。
個人的な好みの尊重
- NG例: 洗髪する。
- OK例（個別性のある文章）:A氏持参のシャンプーを用いて、週に2回（火・金）ベッド上洗髪を行う。
コミュニケーションの工夫
- NG例: 会話に留意する。
- OK例（個別性のある文章）:左耳が聞こえにくいため、右側から話しかける。
看護学生にとってのメリット
患者さんとの信頼関係の構築
患者さんの個々のニーズに応えることで、看護学生は患者さんとの信頼関係を築くことができます。これは、効果的な看護実践において不可欠な要素です。
ケアの質の向上
患者さんのニーズに応じた看護計画を作成することで、看護学生は患者さんの治療成果を高め、満足度を向上させることができます。
個別性の重視は看護の質を高める
個別性を重視した看護計画は、看護の質を高める重要な要素です。
個別性のある計画を立て、その実践を通じて、患者さん一人ひとりのニーズに応じた看護を学んでいきましょう。
