【初心者向け】看護実習記録の書き方まとめ!看護過程とは何か?看護学生が知るべき5つのステップ

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看護過程とは看護過程の書き方
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看護過程とは何か

看護過程とは看護の知識体系と経験に基づいて対象の看護上の問題を明確にし、計画的に看護を実施、評価するための系統的な看護実践方法のこと。

この看護過程は5つのステップから構成されています。

看護師
看護師

簡単に言うと、看護を行うための5つの手順のこと!

看護過程の5つのステップ

  1. アセスメント:患者の健康状態に関する情報を収集し、看護の視点から情報を分析する。
  2. 看護診断:アセスメントに基づいて看護上の問題を推論する
  3. 看護計画立案:看護診断に基づいて問題の優先順位を決定し、看護目標や看護介入の具体的な方法を文章にする
  4. 実施:看護計画を実行に移す段階
  5. 評価:目標がどの位達成されたか判定し、必要に応じて計画の修正を行う

看護過程は、看護実践を導き出す方法の1つなので、看護過程を書くことがゴールではありません。ここは普段の課題や実習記録に追われていると見失われがちなので、注意しましょう!!

アセスメントの書き方

アセスメントとは、患者さんの情報を収集して整理し、それをもとに、 解釈、判断、推論することです。アセスメントの全過程は、 関連図に示すことができます。
アセスメントが不十分な場合、次の手順である看護診断や看護計画に 時間をかけても、患者さんに適した表現や内容になりません。

つまり、アセスメントは、患者さんに合わせた適切な看護を提供するための、非常に重要な手順です。

アセスメントは情報収集→分析・解釈の手順→推論の手順です!

ゴードンやヘンダーソンなどの枠組みを用いて、カテゴリごとに情報を分析・解釈します。

分析・解釈の書き方

以下の手順に沿って書いていくと、きれいに書けるのでおすすめです。

  1. 収集したデータが基準値から逸脱しているか?正常か?
  2. 入院前(健康時)と比較してどうか?できないことはあるか?
  3. 正常から逸脱している場合、その原因は何か?
  4. 現在の状態が続くと、どのようなことが患者に生じると予測できるか?

食事摂取量が3割と少量である。(1)
健康時は9割摂取できていた。(2)
原因として、__の副作用である食欲不振、悪心、嘔吐の出現が考えられる。(3)
この状態が続くと、栄養状態の低下につながり、治癒の遅延を招く可能性がある。(4)

看護学生
看護学生

毎回この順番で書く必要はないけど、苦手な看護学生さんはこの順をたどって型を身に着けるのがオススメ!

アセスメントは、対象者の問題や、強みを明確化することが目的なので、ただ経過をまとめただけになっていたり、情報の列挙になっていないか注意しましょう。

看護診断の書き方

看護診断では、アセスメントを踏まえて、 患者さんの健康課題を明確にします。

アセスメントの結果、カテゴリについて「正常ではない」「異常を生じる危険性がある」などの場合に予想される問題を、根拠を示しながら書きます。

健康課題を明確にしないと、 次の看護計画の目標を見失ってしまったり、個別性に欠けるものとなってしまいます。

看護問題の抽出をする

書き方は

___(原因・要因)に関連した___(問題となる症状、状況)
(例文)水分摂取不足、体動困難に関連する便秘リスク

という表現をします。

この時の「原因」には、看護介入が可能なものを取り上げることが大事です!!

問題には優先順位をつける

問題点は複数抽出されることが多いため、どの問題から解決、改善するか優先順位をつけます。

優先順位の決定にはマズローのニード論を参考にすることが定石です。

マズローさんは、人間の基本的欲求はピラミッドの形をしており、下位の欲求がそこそこ満たされると上位の欲求が出てくる、としています。

問題の優先順位も、生命に関する問題の次に、安全に関する問題、というように順位を決めていきましょう。

看護計画の書き方

看護計画では、患者さんの健康課題を解決するための 「目標」 と、 達成することによって 「患者さんが目指す姿」 (=期待される成果)を設定し、 「具体的な看護」 を立案します。

看護計画は、目指すべき看護目標の設定と、目標を達成するための具体策の2つから構成されているんだね

一つ一つの問題に対して、その問題を解決するための看護計画を立てます。看護計画があることにより、実施する看護師によって援助がばらばらにならず、同一の看護が提供できるわけです。

つまり、看護計画を読めば、その患者さんに合わせた看護がわかるということ。

それだけ具体的で、個別性のある文章になっているべきなんです。

看護目標の書き方

「期待される結果」とも言います。患者がどのような状態になることを目指すか?を目標として設定します。

まず、最終的な目標として「長期目標」を設定します。

次に、「長期目標」に達するためのスモールステップとして「短期目標」を設定します。

どちらも、「いつまでに」という期限を設定します。

(例文)
長期目標:退院までに、糖尿病の自己管理ができる。
短期目標:3日後までに、糖尿病の危険性と自己管理の必要性について説明ができる
短期目標:5日後までに、自分の足を観察し、予防行動をとることができる

だいたい短期目標は1週間以内に期限を定めることが多いよ!

具体策の書き方

具体策では、看護者が実際に行う看護を書きます。

ここで注意してほしい事は、「個別性のある(患者に合った)、具体的な看護計画」を書くということです。

本屋さんにいけば多くの「看護計画」の参考書がありますが、これをそのまま書き写すだけでは「個別性」がない看護計画となってしまいます。

その患者さんの「看護目標」を達成するためには「どのような援助」が必要で「どのように」実行する必要があるのかを考えて、具体的に書きましょう。

×(例文)寝衣交換をする
(例文)患者のできるところは患者にやっていただきながら寝衣交換をする。寝衣交換時、腰の上げ下げは患者自身でやっていただき、寝衣を上げる援助をする。ボタン留めも患者自身にやっていただく。

同じ「寝衣交換をする」でも、個別性、具体性があるとこんなに異なる文章となります。

繰り返しになりますが、自分の書いた「看護計画」を読めば、どんな人も同じケアを実践できるように書くのがコツ!

看護計画の実施のやり方

「実施」では、看護計画に基づいて看護を実施します。自分の立案した看護計画を実行に移す段階

しかし、患者の状態は常に変化します。

「患者にパンフレットを使って説明をする」という計画を実行するつもりで病院に行ってみると「患者の状態が変化したため、中止ね」と言われた事もあります。

実施にあたっては、患者さんおよび家族の状態が実施に適した状態であるか見きわめることが必要です。そのため、朝病院に到着したら夜勤帯の情報を収集し、朝時点での患者の情報を収集し、自分の立案した看護計画が実施可能かどうかをアセスメントするのです。

行動計画には、その日実践する看護を時系列で書きますが、朝のアセスメントの結果、修正が必要な場合は行動計画と、看護計画ともに修正しましょう。

また、実践する前には患者に説明し、同意を得ておく必要もあります。

実施後は、自分の行った看護と患者の反応、実施中に観察したことを記録に残す必要があります。

実施して終わりではなく、実施によって得られた反応をまた分析し、その次の看護につなげていくわけです。

評価の書き方

自分の立案した看護計画を実行に移した後は、目標を達成できたかどうかを評価します。

評価のステップはこんな感じです。

  1. 看護目標(期待される結果)が達成できたかどうかを書きます。
  2. 目標が達成され看護問題が解決あるいは改善したら、看護計画は終了とします。
  3. 達成できなかった、あるいは一部のみの達成であった場合は、その理由を分析します。
  4. 計画を修正する必要がある場合、どのように計画を修正するか書く。
看護実習例文資料
https://nanael.booth.pm/items/2798829